日本の蒸暑地域で知られている京都に住む吉田兼好法師は徒然草の中で
「家のつくりやうは夏を旨とすべし。冬は如何なる所にも住まる。あつき頃、わろきすまひはたへがたきことなり。・・・」
と謳っています。
「夏に備えて開放的な風通しのよい家にしておけば、冬は厚着をしたり、火を使って暖をとるなどして対処できる。だから、家は夏のことを考えて造りなさい」
という意味です。
伝統的な日本の住宅は開口部を開ければ残るのは柱と梁だけで、使用しているのは、茅・藁・紙・土・木といった自然の材料であり、それらによって室内は涼しげな空間が実現します。

特に、木は吸湿・放湿性に富んだ材料で、湿度が高くなると湿気を吸収し湿度が低くなると湿気を放出して、周りの湿度が一定になるように自動調節する能力をもっています。
主な成分であるセルロースやヘミセルロースの中に、水分子を引き寄せる部分(水酸基)があり、この部分に水がくっついたり離れたりすることで木材に調湿機能を有します。
つまり、木材には周りの温湿度に応じて、ある決まった量の水分を取り込む性質があるのです。
このため、木材を内装にたくさん使うと部屋の中の湿度の変動は少なくなり、快適に生活することができるのです。

内装の違いによる住宅内の湿度変化
近年は、特に地球の温暖化や都市化によるヒートアイランド現象、住宅の過密化等によって暑さを増しており、県下でも夏季の遮熱対策は大きな課題となっています。
エアコンなどに頼る前に、木をはじめとする自然素材のよさを今いちど見直してみてはいかがでしょうか。